自転車で沖縄本島一周した時の話

私は26歳から5年間お付き合いした彼に振られた時に、友人(以後Aさん)に誘われスポーツクラブに通った時があります。

家で一人で過ごす事が辛かった事もあり、毎日閉館までいました。

その時に、クロールで泳げなかったのが泳げるようになったり筋トレなど没頭しました。

 

 クロールで3000m泳げるようになると、次の目標がないと続けられないと思い「自転車で沖縄本島を一周する事」に決めてそれに向けて体作りをしました。

どうして、「自転車の旅」なのかというと、スポーツクラブに誘ったAさんの友人(以後Bさん)の話ですが、Bさんの家族は医者家系で幼い頃から医者になる為に頑張ってきたのだけど、親がひいたレールでいいのか悩んでいた時に、自転車で旅をしたそうです。Bさんの「自転車で旅をしたから救われた。自転車で旅をすると人生が変わる」という話を聞いたからです。

 

人生を変えたかった私は体験したくなったのです

 

現在お医者さんのBさんは、学生時代に海外で自転車旅行したそうですが、私は仕事をしていたし休みも限られているので正月休みで沖縄に帰郷した時に決行しようと思いました。

 

ちなみに泊まる宿とかは全て未定です(夕方になったら公衆電話に備え付けられている電話帳で宿を調べて、片っ端から電話して探しました)

自転車も沖縄で購入しました。実は自転車もあまり乗り慣れていなくてスタートしてすぐに転んだぐらいです。私って無謀ですよね(笑)

 

 初日は恩納村のペンションに泊まりました。ペンションのオーナー達と楽しい宴会をしました。そこで、北海道出身の方とお会いしました。

彼女は7年間付き合っていた彼との失恋した衝動で、空港に行き 兎に角一番遠い所に行きたいと思い「沖縄」に行ったそうです。その時から沖縄が大好きになって定期的に沖縄に旅行しているとの事でした。

2日目は、国頭村の民宿に泊まりました。

そこの泊まり客の多くが土木工事の人達でお客さん達と交流はしなかったのですが、翌朝オーナーが私の為に大きなおにぎりを作って渡してくれました。

3日目は東村で車の女性2人に助けられ、宜野座まで連れて行って貰いました。

日が沈みかけた時間だったのですが、私はその2人の女性に叱られました。

「何かあったらどうするの?このままだと山の中で夜になるよ。」と言われました。

二人はドライブ中で私を見かけて、心配で何往復もしたとの事でした。

最後に泊まったのは宿は、ある会社の人がほとんどだそうでそこに滞在者は私一人でした。

建物も古く隙間風も入りめちゃくちゃ怖かったのを覚えていますが、民宿に泊まるお客さん私だけって凄い体験でした(笑)

久しぶりに湯舟に浸かって気が付いたのですが、数日で太ももが変わっていました。

人間の体って不思議だと思った事を覚えています。

 

さて、途中 車に乗ったので実際には本島一周はしていませんが、別にそれが目的だったわけではありません。

その時の自転車の旅で、北海道出身の方以外に、いろんな人の失恋話を聞くことが出来ました。5、6人の失恋した時の話が聞けて長い人は15年付き合って結婚出来なかった人までいました。

 

この旅で私は失恋の痛手から癒されていました。

私は自分のことばっかりでしたが、世の中には私以上に辛い経験をしている人がいる事を頭では分かっていましたが、心から理解出来ました。

 

そしてこの旅では、多くの人から親切にされました。

その人達は、私からの見返りは一切期待していません。ただ、目の前にいる人の力になりたいという純粋な思いが伝わっていました。

人々の無償の優しさに触れた私は、自分が生きているこの世界が大好きだと思いました。

きっと、自転車旅行をしたBさんも沢山の無償の愛に触れて、この世界は寛容で優しい事を実感をしたのではないかと思いました。

 

私は、失恋する前の私よりこういう経験をした今の自分が好きです。

こういう経験があるので、「幸せになる事を諦めなければ幸せになれる」と思っています。